Sorry!


ひっさしぶりの大阪じゃのぅ
城ホールのライブも、もう何回目かのぅ?
何度来ても興奮して眠れんよのぅ
結局時間を持て余して城ホールまで歩いて来てしもうたけど...
誰も気がつかんのぅ...
前からライブの時以外はオーラが薄いって言われとったけど
ほんまじゃのぅ..
それとも、単に時間が早すぎただけかのぅ?
まあ、その分ゆっくりホールの回りを見られていいかもしれんのぅ

 

う〜ん
さすがにちょっと早かったかなぁ
朝から落ち着かなくてついついこんな時間から会場に来ちゃったけど
もしかしたら会場入りするタマさんに会えたりして☆ふふっ
......あれっ?

 

おおっ、懐かしいのぅ
わしらもここで路上ライブしとったんよのぅ
デビューしてすぐの頃に一回だけゲリラライブした事あったけど
もう今じゃあ出来んかのぅ
またやってみたいのぅ...

 

あれ...タマさん?!
えっ、うそうそっ!どうしよう〜
一言でも話したいけど...迷惑かなぁ?
あ〜ん、もう行っちゃおうっ!
この機会を逃したら絶対タマさんとお話なんて出来ないもん

 

...ん?
すごい勢いで走って来る女の子がおるのぅ
まさか、とは思うがわしのファンじゃったりして ....って、ああっ!
派手にこけてしもうたけど...大丈夫か???
うわっすっごい血が出てるじゃん、大変じゃ!

 

...いった〜い...
もうっどうしてこんな肝心な時にこけちゃうのよぅ...
こんな姿タマさんに見られたら...

「..キミ、大丈夫?」

えっ?!この声は...

「うわっ!傷口えぐれたみたいになっとる...痛くない?」

タマさんっ!!

「えっ、あのっ。だいじょ...痛っ!」
「これは絆創膏じゃあ血が止まりそうにないのぅ...
楽屋に確か救急セットがあったはずじゃし...
キミ歩けそう?...って無理そうじゃの...
ちょっと掴まっててくれる?」
「え?あ?何っ?!きゃっ!」

ええっ?!うそっ?!
私...タマさんにお姫さまだっこされてる?!
夢じゃないよね?ね?

「すみませ〜ん。この子怪我してるんで、救急セット持って来て貰えます?」
「ほ、ほんと大丈夫ですからっ」
「どう見ても大丈夫じゃないじゃろ?人の好意は素直に受けるもんよ?」
「あ痛っ...はい...」

あ〜ん、どうしよ〜どうしよ〜!
タマさんに手当して貰っちゃった〜
お礼言わなきゃ...
でも、心臓がバクバク言ってる〜
私、しゃべれるかなぁ...

「...う〜ん..こんなもんかの?」
「あ、ありがとう..ございますっ!こんな事までして貰って...ごめんなさい」
「いや、あやまる事ないし。ところで。。。キミライブに来てくれたんじゃろ?大丈夫?」
「はいっ!大丈夫です。。。ごめんなさい。。。」
「いや、だから...って何で泣いとるん?!わし何か悪い事言うた?」
「ごめんなさい...わ、私タマさんのファンだったんです
初めてタマさんにこんな近くで会えて...優しくして貰えて..うれしくて...」

えっ?!ホンマにわしのファンの子じゃったんか?!
うわ〜どうしよ〜こんな時わしどうしたらいい?

「え..っとぉ〜..そうじゃ!ライブの時キミどの辺の席?」
「え?多分タマさん側の前の方だと」
「じゃあ〜キミを見つけたら手を振ろうかのぅ?」
「えっ?!そ、そんな...すみません」
「いや、だからあやまらなくていいって」
「あ、ごめんなさい」
「だから...」
「あ...ふふふっ」
「おっ、やっと笑った。笑顔の方がかわいいじゃん」
「 えっ?!あ、ありがとうございますっ!」
「だいぶ元気になって来たみたいじゃの。そろそろ歩けるかな?」
「多分大丈夫..です。ちょっと痛いけど」
「う〜ん...気になるのぅ...
そうじゃ!ライブが終わったら怪我の様子また知らせてくれるかな?
わしのアドレス教えるけん!
えっと...そう言えばキミの名前聞いてなかったのぅ」
「あ、私...多恵です」
「多恵さん、ね 。よかったらアドレスも教えて貰っていいかな?
もしメールが来なかったらわしから催促するけん」
「えっ?!そんなメールしないなんて絶対ないですっ!」
「じゃあ、信用して待っとるけん」

 

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