I'm not your god

 

私が昭仁の家に転がり込んでそろそろ2ヶ月になろうとしている
昭仁が「親からいいって言われないとダメ」と言われたから
ちゃんと親からの許可も貰ってきた
多分私位の年の子供を持っている親にしては物わかりはいいほうなんだとは思う
条件付と言っても一応昭仁の家に行くのを認めてくれたから
その条件は

学校は今まで通っていた所にきちんと通う事
部活もサボらずに続ける事
塾にもちゃんと通う事

要は今までの生活を維持する事
こう書くと簡単に思えるかもしれないけど
私の家から昭仁の家まで片道で1時間半かかるのは正直いってかなりきつい
でも、昭仁と一緒に過ごせるのなら、と今までがんばってきた
がんばってきたんだけど...

今年の4月から受験生になった
昭仁の近くに居たくて都内の高校に進みたい私
高校は家から通うようにと言う両親
いつも話合ってはいるんだけど話は平行線のまま

私も昭仁と一緒に暮しているからには
昭仁の身の周りの世話もしたい
料理も作ってあげたい
でも今の生活では学校と塾の勉強をするだけで精一杯
このままじゃあ昭仁のお荷物にしかなっていないようで...
私...どうしたらいい?

「のぅ?知佳」
「なに?昭仁」
「進学の話..どうなっとん?
相変わらず平行線のままなん?」
「うん...ねぇ?昭仁...私..どうしたらいい?」

昭仁に聞かれたのがきっかけになって
今まで胸にたまっていた事を全て吐き出してしまった
私は昭仁のお荷物になっているのじゃないのか
今の生活は楽しいけれど..学生生活を続けながらはかなり身体的にきつい事
親とは進学の話が平行線のままでどうしたらいいかわからなくなっている事

「昭仁..私、どうしたらいいのかな?教えてよ」

私の話を聞いた昭仁はゆっくり考えながら話し始めた

あのな、知佳
わしが思うに恋人同士距離が近ければええってもんでもないと思うんよ
そりゃあ、毎日ず〜っと顔を合わせていれば楽しいかもしれん
でも今の知佳は犠牲にしてるもんが多すぎると思うんよ
今は学校と塾に行っているだけでいっぱいいっぱいじゃん
それに今から高校進学じゃろ?
受験勉強が始まるともっときつくなるで

知佳と両親との進学の話はわしがとやかく言う事じゃないと思う
わしは神様じゃないけぇ知佳の一生をわしが決める権利なんてないけぇね
進学については一回家に帰って両親とじっくり話して
自分でどうしたいかを考えた方がええと思うよ

ほら、距離が離れていても心が繋がっていれば、って言わん?
別に毎日顔を合わせんでもいいじゃん
メールのやり取りでも充分愛情は感じるもんよ...違う?

 

「そう..そうだね
一緒にいられる時間が減るのは辛いけど
...でも心が繋がっていれば平気だよね
わかった。一回家に帰ってみる」

 

心が繋がっていれば...

 

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