「when tomorrow comes」

 

横に眠るあなたの寝息を聞きながら思う
この時間がいつまでも続けばいい
いつまでも明日になんてならなければいい
そうすれば...あなたはずっと私だけのあなたでいてくれるのに

明日になったら
あなたはファンの元に戻ってしまう
今度私の所に戻ってきてくれるのはずっと先の事
長く続くツアーの間
少しは私の事を考えてくれるのかな?
心の片隅に私をいつも置いていてくれるのかな?

もうすっかり板に付いたあなたの黒い髪
明日になってしまえば、また触れる事も出来なくなる
そんな事考えたら愛おしさがこみ上げて来て
起こしてしまわないようにそっと...そっとあなたの髪に触れた

「ん...?」
「あ、ごめん。起こしちゃった?」
「あ、あれ?すず、起きとったん?」
「うん...ちょっと考えてた」
「考えてたって何を?」
「聞いたらきっと笑われちゃう」
「笑わんから言うてみ?」
「ホントに笑わない?」
「笑わんよっ...多分」
「じゃあ、言っちゃおうかな...私ね。このまま明日にならなければいいのに、って考えてたの」
「へぇ〜。なんでそんな事考えるんよ?」
「だって...明日になっちゃったらまた昭仁に会えなくなっちゃう。
大事なお仕事やファンやライブで頭がいっぱいになっちゃって
私の事なんて忘れちゃうに決まってる。
...明日なんてこなければ、今のまま時間が止まっちゃえばずっと一緒にいられるのに...」

大きな目で私の方を見ながら耳を傾ける彼
その余りにも真摯な眼差しが痛いくらいに感じられる
私の言葉が途切れた後も言葉を噛み締めるように真剣に考え込んで
...そして

「う〜ん...確かに明日になったらしばらくはすずとも会えんようになるのぅ
でも...でもわしはやっぱりずっと今日のままより明日になった方がいいかなぁ
上手く言えんけど、ずっと同じ所にいるよりちょっとでも前に進む方がいいと思うんよ
ほら、もしかしたら今日よりずっといい事があるかもしれんやん?
それに...わし、会えんでもすずの事はいつも心のどこかには思っとるから...の?」
「ほんとに?ほんとにそうだったらうれしい...」
「ほんとだって!だから、『明日なんてこなければ』なんて考えない」
「うん...そうね...」

彼の言葉が心に染み込んでいく
いつも私を心のどこかに置いていてくれるって
明日になったらまたみんなの元に戻ってしまうけど
あなたの言葉を胸にしまって、私の元に戻ってくるのを待っているわ

明日になったら...
明日になっても...
あなたの心には私がいるの...

 

 

 



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