「Party Party」

 

今日はツアーの合間の久しぶりのオフ
それも久しぶりの自宅でのオフよ?
さすがのアクティブ派のわしも今日ばかりはゆっくり...

──ねぇ、起きて

ん?
まだ、朝早いじゃん...もうちょっと寝かせt...

──ねぇってば〜買い物に付き合ってよ〜

買い物...付き合うけぇ、もう少しだけ寝させて..そr..

 

「おにぃちゃん!いい加減に起きなさ〜〜〜い!」

 

ガバッ

 

「か、楓?!何でおまっ...ああ、そうか」

こいつはわしの妹の楓
ある目的があって、わしが東京に帰っている時を狙って 因島から遊びに来た
企み事をするのは勝手じゃけど、な〜んでわしまで...

「何で、じゃないわよ。久しぶりに会った妹にその言い方はないでしょ?」
「だってさぁ、せっかくの休みなのに〜なんでお前と出かけなきゃいかんの?」
「可愛い妹を1人で東京の町に出すつもり?道に迷って帰れなくなったらどうするのよ?」
「お前さぁ〜何回も遊びにきとる癖によう言うわ。まあ、準備するけぇもうちょっと待てや」
「連れて行ってくれるならいいのよ、待ってるから。 ...ねぇ?おにぃちゃん」
「ん?なん?」
「さっき寝ぼけて言ってた『そr...』って..誰?」
「ゴホゴホゴホッ!わしそんな事言ってたっけ?覚えとらんのぅ。
それより、着替えるけぇ出てってくれや。はよはよっ」
「怪しい...ま、いいわ。気のせいにしといてあげる」

寝ぼけて危うく彼女の事がバレるとこじゃった
危ない危ない。。。

楓と2人で車に乗って買い出しに
ちょこちょことした部屋の飾り物に食料品
店に着いたら楓がどんどん買って行くので楽と言えば楽
。。。どんな仕上がりになるんだ?
と少しだけ不安は感じるが気にしない事にする

家に帰ってからは楓が部屋の飾り付けをしている間に
わしが料理の下ごしらえ
両親共働きだったから、この辺のコンビネーションは完璧だ
つか、楓の料理は...ちょっとなぁ...

「おにぃちゃん、何か言った?」
「い、いや。何も?どうしたん?」
「大体飾り付けが出来たんだけど見てくれる?」

そう言われてリビングに行くと...

「のぅ?楓」
「何?」
「あ〜この部屋のコンセプトは何かな?」
「『ポップ&キュート』よ」
「.....あ〜....」
「すっごくかわいいでしょ?」
「かわいいけど...あいつもうすぐ31よ?」
「大丈夫よ!昭仁さんだったらきっと喜んでくれるわ」
「はぁ...」

そう
楓は昭仁の誕生日を3人で祝いたくて
ちょっと早めではあるが、今日誕生パーティーをするつもりなんだ
で、わしも準備にかり出されて...と言うか
料理を作っているメインわしだし

「料理ももう準備オッケーなの?」
「ああ、大体用意は出来たけど?」
「昭仁さん、いつ来るんだったっけ?」
「う〜ん。そろそろじゃないか?」

と言った言葉に呼ばれるかのように
インターホンが鳴った
楓は慌てて玄関に走っていった

「はいっ!」
「こんばんは。わしやけど〜楓ちゃん、久しぶり」
「昭仁さん、久しぶりです!」
「相変わらず新藤と違って素直じゃのぅ」

な〜んて会話をしつつリビングの入り口で
わしの城の余りの『ポップ&キュート』な飾り付けに目が点になっている昭仁と
ニコニコと笑っている楓
そして、苦笑しているわし
...たまにはこんな因島にいた頃みたいに過ごすのも悪くない、か

 

「さぁ!パーティーの始まりだ!」

 

 

 


 



アクセス解析 SEO/SEO対策