「Holyday」

 

 

今日は久しぶりに昭仁とのデート
しばらくスタジオワークが続いたから、外に出かけたいって昭仁が言うから

「じゃあ...サファリパークに行きたいな」
「へぇ?楓って動物園って好きだったん?」
「ええ!でも..1人で行くのは恥ずかしいから長く行ってなくて…」
「そっかぁ〜わしも長い事動物園なんて行ってないけぇ」
「そう?じゃあ、決まりね!」
「あ!そうじゃ!」
「??なぁに?」
「楓がよければじゃけど..お弁当なんて..作ってくれんかな〜なんて..」
「もちろん作るわよ。楽しみにしててね」

 

...って言っちゃったけど...
どうしよう...ちゃんとしたお弁当なんて作った事ないよ...
う〜ん..何作ろうかな...
どれくらい作ったらいい??
えっと...えっと...

 

お弁当の本を何冊も買い込んで
ああでもない、こうでもないと悩みまくって
5時前に起きて一生懸命作ったお弁当
忘れないように抱え込んで待ち合わせ場所に立っていると
昭仁の運転する車がやってきた。

「おぅ!おはよう!」
「昭仁!おはよう!ちゃ〜んと作ってきたわよ!」
「おっ、ホンマに作ってきたんじゃ。感心感心。」
「もうっ、大変だったんだからね!」
「ははっ、楽しみじゃのぅ。じゃあ、そろそろ出るで」

都内を出てちょっとしたドライブ気分をしばらく味わい
今日も目的であるサファリパークに到着!
音声ガイドを借りて昭仁と2人でパークの中にくり出した

「あっ!あそこにいるの...ライオンかな?」
「う〜ん、そうだと思うけど...寝てるからわかりにくいのぅ」
「あ!あっちに何かいるみたいよ!」
「お!ほんまじゃ!行ってみよ!」

パーク内を2人できゃあきゃあ言いながら回っていると
動物とのふれあいが出来るスペースがあるのを見つけた
売っている餌をあげる事も出来るみたい
か、かわいい...触りたい...
でも、他はみんな小さい子供ばっかりだし、ちょっと恥ずかしいかな...
ちらっと昭仁の様子を伺うと、昭仁の何か言いたげな瞳と目が合った

「ねぇ..昭仁?」
「な、なんね?」
「もしかしてね?ふれあいコーナーに行きたいな〜...なんて思ってない?」
「うえっ?!そんな事は...ちょっとは思ってるけど...そういう楓こそあっこのうさぎを触りたいって思っとるんじゃないん?」
「えっ?そ、そうね。昭仁が行きたいって言うなら行ってあげてもいいわよ」
「わしこそ、楓が行きたいんなら行ってやっていいと思っとうけど?」
「.....」
「....ぷっ」
「ふふふ」
「ははは...じゃあ、餌買って来るけぇ」

子供達の中に混じってコーナーの中に入り
しばらく童心に帰ってはしゃぎまくった
で、ふと見ると... 私以上にはしゃいでいる昭仁が
私の視線に気付いて照れくさそうに笑ってる
本当に動物が好きなんだっていうのがその笑顔を見ると伝わってくる
その笑顔を見ると私も心の奥がふんわりと温かくなって自然と笑みが浮かんできた

時間を忘れて遊んでいると
ふいに昭仁と私のお腹が同時にぐぅ、と鳴った

「あ...っ」
「そろそろ腹が減ったのぅ。昼にせん?楓の弁当食べたいし」
「そうね。ちょっと遅くなったけど...確かこのエリアを抜けたらお弁当を食べられる場所があったはずよ」
「じゃあ、はよ行こ!」

お昼時を少し外れたせいか
お弁当を食べる事の出来るスペースにはもうほとんど人がいなかった
それほど目立たない場所に2人で座ってお弁当を広げると
こっちが驚くくらい昭仁が歓声を上げた

「おおっ!うまそうじゃのぅ!これ全部作ったん?」
「そ、そうよ。あんまりこった物は作れなかったけど...」

本当におかずはお弁当の基本と言っていいようなものばかり
だし巻き卵に鶏の空揚げにたこさんウインナー
それにプチトマトときゅうりを小さな串で差したものにコロッケにのりで巻いたおにぎり
他のはそれなりに自信があったのだけど
だし巻き卵だけは作るのに苦労したし、自信があんまりない
昭仁の口に合うといいんだけど...どうかな?

私の心配をよそに
昭仁はぱくぱくとお弁当を食べ始めた

「ねぇ...どうかなぁ?」
「ん?うん、うまいよ」
「ほんとに?本当においしい?」
「うん、ホントホント。手作りの弁当なんて久しぶりじゃけぇうれしいわ〜やっぱり手作りの弁当ってええね!」
「よかった...昭仁の口に合って...どんどん食べてね」

幸せそうな昭仁の顔を眺めてるとこっちまで幸せな気分になってくる
この時間がいつまでも続けばいいのに、な

 

 

 

 

 



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