雨の日も...

 

う〜ん
今日は朝から雨かぁ
そうでなくても昨日から気分が滅入っているのになぁ
雅巳が居てくれたら...って無理だよね
きっと今日も朝までレコーディングだっただろうし
今から来てなんて言えない...よね

その時
ドアの開く音と一緒に雅巳の声が

「おっはよ〜」

えっ?ま、雅巳?!
どうしたの?レコーディングだったんじゃないの?

「まー朝には終わったからの〜
なんか急に涼子に会いたくなってスタジオから直で来たのよ」

なんて言って
ごろんとベッドの上に横になるとじきに寝息を立て始めた
もう...会いに来たっていった途端にこれだもんね
まったく、もう...

でも...不思議ね
私が会いたいって思う時には魔法のように現われるんだよね
ねぇ雅巳
いつもあなたには感謝してるんだよ
面と向かっては絶対に言えないけどね
私の方が年上なのにいつも支えてもらっているのは私の方
落ち込んでいる時も愚痴を言ってしまった時も
話をいつも黙って聞いてくれて
私を大きく包み込んでくれるのは雅巳の方
...いつもいつもごめんね

「どういたしまして」

へっ?!
ま、雅巳!いつの間に起きてたの?
あ...!
私の独り言どこから聞いてたのよ〜

「ん〜〜〜っ、どこからじゃったかのう?
ま、え〜じゃん。どこからでも」

...ふぅ
なんだか誤魔化されちゃった気分だな...
と、不意に手をぐいっと引かれて
気付くと私は雅巳の腕の中にいた

「のう、涼子
わしも涼子のおかげでずいぶん救われる事があるんよ
どんなに落ち込んでいても涼子の顔を見ると元気が出るのよ
それに
落ち込んでいたり愚痴ったりもする
そんな涼子のすべてがわしは好きなんよ
だからあやまることなんかないって」

雅巳の言葉を聞きながら彼の温もりに包まれて...
こんな風に過ごすんだったら雨の日も悪くないかも?
...なんてね

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