stars look down

 

「これでよし、と」

お掃除も済ませたし
タマくんの好きなものも用意したし
あとはタマくんが帰ってくれば完璧☆

ツアー最終日って初めてだったけど、すごかったなぁ
最後には3人とも感動して泣いてるんだもん
私も一緒に泣いちゃった...
タマくんに見られてなかったらいいんだけど
だって、恥ずかしいじゃない?

う〜ん
それにしても...遅いなぁ
もうすぐ夜中になっちゃうよ
お風呂に入ったら疲れがどっと出てきちゃったよぅ..眠い
こんな遅かったらねむっちゃう...ぞ...

うっわ〜
すっかり遅くなってしまったのぅ
打ち上げにちょっとだけ顔を出してすぐに帰ろう、と思ったのが間違いじゃった...
まさか抜け出すのにこんなに手こずるとはのぅ〜
たえちゃん待ちくたびれとぅかの?

そっとドアを開けて部屋に入ると
待ちくたびれたたえちゃんがテーブルにうつぶせて眠り込んでいた

「まったく...こんな所で寝とったら風邪ひくぞ」

呟きながらたえちゃんを後ろから抱きかかえてベッドに運ぼうとした時
ふわっと石鹸のいい香りがして
たえちゃんの寝顔と相まってついクラッとしてしもぅた

「うわっ、ヤバいっヤバいって」

何がヤバいかわからんけど、とにかくヤバい
と、とにかくたえちゃんをベッドに連れて行って、と

「う...ん...あれ?」

あ、私ったら眠っちゃったみたい
って、えっ!?
どうして私タマくんに抱かれてるの?

「あ、起こしちゃった?」

あ〜起こしてしもうたのぅ
残念...っていやいやいや...
わし、何を動揺しとるんじゃろ?

「そ、そうじゃ!今日のライブどうじゃった?」
「ライブ?最高に決まってる!」
「最高!はNGじゃ」
「え〜っ!じゃあね...トークでタマくんが追いつめられていたのが面白かった」
「うっ...」
「あ..怒った?」
「あ、あれはわざと追いつめられた振りをしとるんじゃっ!」
「うふふ。そういう事にしておいてあげる」
「トークはいいとして〜わしの演奏はどうじゃった?」
「ライブのタマくんってとってもセクシーでカッコ良くて
あんまりにも素敵で見ていてドキドキしちゃった
普段のタマくんも好きだけどライブでベースを弾いているタマくんが一番好きだな
。。。ってこれでいいかな? 」
「普段のわしよりライブのわしの方が好きなんか。。。何か複雑じゃのぅ」
「え〜っ、でもタマくん...くしゅんっ!」
「あっ!すまん。すっかり体が冷えてしもうたのぅ」
「あ..大丈夫..くしゅんっ」
「大丈夫じゃなかろ?ほら、体温めてやるから」

そう言いながら多恵を抱き上げてベッドへ連れて行くと強く口づける
そして...

「人の体を温めるのには...人肌が一番って知ってた?」
「あ...待って、タマくん」
「何?ダメって言うのは無しだからの?」
「そうじゃなくて..カーテンを閉めて欲しいの」

言われて振り返ると窓からは満点の星空
都会では珍しい位、星が近く見える

「え?上の方の階じゃから外からは見えないじゃん」
「だって...星が見てるよ...」

 

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