suddenly



今日はとてもいい天気
...死んでしまいたくなるくらい
意味のない喪失感?
胸にぽっかりと開いた欠落感?
息がつまってしまいそうな閉塞感 ?
どうしてそんな気持ちになったのか理由はわからない
ただ自分の回りの全ての物がイヤになってしまったから
自分を消してしまいたくなったのかも...

今日は学校をサボって街をさまよっていた
手には家にあったB-PASS
どうして持って来たんだろ?
...まあ、もうどうでもいい事なんだけど
あ..でも
このB-PASSのポルノの記事を読んでないのが心残りかも?


電車に乗るなんて久しぶりじゃのぅ
最近の移動はずっと車じゃったからの
...ん?あの子中学生かの?
こんな時間に何やっとるんじゃろ?
おっ、B-PASSもっとるのぅ、あの子
あんなホームのはしっこにいたら危ないのぅ...っと!?


気が付いたら駅のホームに立っていた
あと3歩踏み出せば逝ける
あと2歩...
あと1歩...

「危ないっ」

誰かの声が聞こえると同時に腕を掴まれて現実に引き戻される
誰...ってあれ?
見たことある...ってまさか!?

「そんな前に出たら危ないじゃろ?」

昭仁...?!

「どうしたん?ん?気分でも悪いん?」
「いえ...あの...」
「なんか、顔色悪いけど...駅員さんに言って来ようか?」

心配そうに声をかけてくれる昭仁
会える事を夢見てはいたけど
思いがけない出会いに言葉が見つからなくて
首を横にふる事しか出来なかった

「う〜ん...困ったのぅ...」

う〜ん...どうしたものかのぅ?
このまま放っておくのも心配じゃし
駅員さんの所に行くのも嫌がっとるし
取りあえずは落ち着かせんとのぅ...

「取りあえずさぁ、あそこのカフェに行かん?わしがおごるから」
「え...あ、はいっ」

信じられない...つか夢みたい
私の目の前にはちょっと困惑した表情の昭仁が座ってて

「で、なんであんな所でぼーっとしとったん?」
「え...と、あの...生きていくのがイヤになっちゃって...」
「えっ?!なんでそんな事考えたん?」
「う..ん。理由はないって言うか...周りの物全てが嫌になっちゃったって言うか...」
「全てが嫌、かぁ...困ったのぅ」
「あ、その..すみません」
「いや、謝らんでも...ところで手に持ってるのB-PASSじゃろ?好きなアーティストおるん?」
「ポルノが好きなんです..」
「な〜んじゃ」
「?」
「ぜ〜んぶが嫌になった訳じゃないじゃん」
「??」
「だってさぁ〜わしらポルノグラフィティの曲が好きなんじゃろ?
それだったら少なくとも一つは嫌じゃないものがあるんじゃろ?」
「あ...そうですね」
「そうじゃろ?『違う』って言われたらわしヘコむぞ」
「そんなっ!昭仁...さんの事は大好きですっ」
「おっ、嬉しい事を言ってくれるのぅ...さっきよりだいぶ元気になったみたいじゃん」
「そ、そうかなぁ?」
「なったなった♪...わし、そろそろ行かにゃいかんで...そうじゃのぅ...わしのアドレス教えとくからまた落ち込んだ時にはメールしてみて。じゃあ」


その日から毎日のように昭仁にメールのやり取りをしている
たまには会ったりもして私のたわいもない話を聞いてくれている
昭仁にとっての私って何かな?と思って
この間勇気を出して聞いてみた
昭仁の答えは

「う〜ん。妹以上恋人未満、かのぅ。今後の頑張りしだいって感じじゃの」
「恋人に立候補するのはあり?」
「ま〜ね」
「じゃあ 、私恋人に立候補するよっ」

そういいながら私は昭仁に抱きついた



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