Cereblation


今日は朝から落ち着かない
「決まったらすぐに連絡するから」と言っていたけど
あんな電話って何時頃かかるもんかのぅ?
ワシ就職活動なんかした事ないけぇ、わからんのぅ...
のゆちゃん、大丈夫かのぅ...
いや!のゆちゃんの事じゃけぇ、大丈夫!大丈夫じゃ!
あ〜っ!それにしても落ち着かんのぅ

部屋に入った直後から
片手に携帯をもったまま部屋の中を落ち着かなげにうろうろしている昭仁を
いぶかしげな表情で見つめている晴一とタマ

「のぅ?昭仁」
「...ん?」

心ここにあらず、な様子の声

「な〜に携帯持ったままうろうろしとん?」
「ん?ああ、ちょっと...」
「なんか大事な電話でもあるん?彼女とか?」

動揺のあまり携帯を取り落としそうになる昭仁
余りにも分かりやすすぎる反応に苦笑する2人

「ホンマにお前ってわっかりやすいの〜」
「な...っ!?何がじゃ」
「か・の・じょからの電話を待っとるんじゃろ?」
「え、あ、う..ち、違うって」
「ほぉ〜ん。その割にえっらい携帯を気にしとるがのぅ?彼女じゃなかったら何かのぅ?タマ」
「それは...」

とその時
聞き慣れない着メロがなると同時に弾かれたように部屋を飛び出る昭仁
気付かれないようにそ〜っと廊下の様子を伺うと。。。

「もしもし...のゆちゃん?
ど、どうじゃった?...うん...うん...
そっか!良かった!おめでとう!
うん..うん..
じゃあ、仕事が終わったら連絡するけぇ〜あの店で会おう!
確かあの店は夜も遅くまでやってたはずじゃけぇ
...うん、ワシもなるべく早く仕事終わらすように頑張るけぇ!
じゃあ、また後での...ホンマおめでとう!」

そこに丁度マネージャーがやって来た

「おうっ!棚瀬!今日の予定はどうなっとる?サクサクッと終わらせようぜ!」
「は?昭仁さん、今日はやけに元気一杯ですね」
「おうよっ!ほれ、仕事サクサク終わらせようぜ〜」
「いや、それが...」
「それが?なんね?」
「ちょっとアクシデントがあって3時間程空き時間が...」
「何っ!」
「どうします?」
「どうするも、こうするも...ワシちょっと出かけるけぇ!3時間後には戻るわ」

そう言い残すともの凄い勢いで部屋を飛び出す昭仁
呆然としているマネージャーに晴一が声をかけた

「あ〜昭仁は彼女になんか用事が...」

バタンッ

勢い良く扉が開くと昭仁が顔を覗かせて

「おいっ!新藤っ!今はまだ彼女じゃないけぇ!」

そう言い残して廊下を走り去っていった

「 『今はまだ』、ね...」

晴一はにやりと笑いながらそう呟いた





昭仁とのゆちゃんがこの後どうなったのかはまた別の話で...







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