堕天使の羽根

 

 

もう最悪だ...
どうして私がこんな目に遭わなきゃいけないの?
人違いで刺されるなんてさぁ
何が「あっ、間違えた」よっ
確認してから刺せよ...
くっそ〜あの男
絶対化けて出てやるんだから〜
...ってか
なんだかとっても寒いんだけど。。。
これって死期が近いって事?
そんな。。。
死にたくないよぉ。。。

あんたの願い叶えてあげようか?

声のした方を見ると
今までに見たことのないような美人が立っていた
女の私から見てもゾクっとする程
体が透けて向こう側が見えているのと
背中から黒い羽が生えているのを考えなければだけど
ああ。。。ダメだ。。。
こんな幻を見るようになっちゃあおしまいだ。。。

幻じゃないわ

笑いを含んだ声が聞こえたかと思うと
ぐいっと腕を掴まれてその人の前に立って。。。ってあれ?

私の足元に。。。私が倒れていた

あれは貴女の肉体
もう心臓も止まりかけているわ
だから魂が体から離れかけているのよ
わたしならあなたの魂をつなぎ止める事が出来るけど...どうする?

ど、どういう事よ?

私の力を使えば死なずに済むって事
まあ、条件があるんだけどね

条件って何よ?

う〜ん
大した事じゃないんだけど
私が実体化するために
貴女の体を貸して欲しいだけ... 簡単でしょ?
さぁ、どうする?時間はもうあまりないわよ

どうするも何も
私には選択肢なんてないんでしょ
もう...好きにしなさいよっ

私がそういうと同時に
彼女は私の手を取って足元の私に向かって身を投げた
そして次に瞬間には私は元の体の中に戻っていたけど。。。

「うん、悪くないわね」

私の体は彼女に乗っ取られていた
意識はあるんだけど、私の思う通りに体が動かない
その上背中には 黒い羽根が生えていた

「さて、そろそろ行こうかしら」

どこへ?
...って羽根をどうにかしなさいよっ!

「あら...人間世界ってめんどくさいわね...これでいいかしら?」

そうそう、それでいいわ
で、どこに行くつもり?

「まあ、一種の人探しみたいなものなんだけど...ちょっとまずい事になってきたみたいだから取りあえずどこかに行かなきゃいけなさそうね」

そして踵を返して私(と彼女)はその場から離れる事にした

 

 

道に落ちていた1枚の黒い羽根
1人の男がそれを拾い上げた

「一足遅かったか...」

呟いた男の背中には白い羽根が。。。

 

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