WHY?

 

どうして...

どうしてこんな事になっちゃったんだろう?

どうしてあんな事を言っちゃったんだろう?

どうして...

 

たわいもない事がきっかけでのけんか
いつもと違っていたのは...

 

「ねぇ、俊美さん」
「はい?」
「確か俊美さんってポルノグラフィティのファンでしたよね?」
「うん、そうだけど...それがどうかした?」
「あのね、私の友達が働いている店にね
こないだポルノのメンバー...え〜と..
ギターの人?がね、遊びに来たんだって」
「え...っ?」
「なんだかね、店の女の子にしつこく何か聞いていたみたいですよ〜
...って俊美さん?どうしたんですか?」

 

彼女は悪気はなかったのはわかってる
彼女はただ、ポルノファンの私に取って置きの情報を教えてあげよう、と思っただけ
彼女が知らなかったのは...

私が『ポルノのギターの人』の年上の彼女だって事

そりゃあ晴一だって遊びに行きたいだろうし
たまには女の子のいるような店にも行くと思う
わかってはいるんだけど...
わかっているつもりだったんだけど...

彼女の話が心の奥底に棘のように刺さって
血を流し続けていて...
つい彼に投げかける言葉も棘を含みがちになってしまって

「のぅ?俊美ぃ」
「...何よ?」
「な〜んで今日はそういちいち突っかかって来るん?」
「べ〜つにっ...そっちこそ何か言う事ないの?」
「???別にぃ〜」
「ふ〜ん...じゃあ、いいけど」
「なっ..可愛くないのぅっ」
「可愛くなくてすいませんね〜。」
「あ〜もうっ腹が立つのぅ!何が気にいらんのじゃっ!」
「べ〜つに」
「あ〜〜っ!もう知らん!そんな可愛げのない女わしは嫌いじゃっ」
「じゃあ...やさし〜いお姉さんのいるお店に行けばいいじゃないっ」
「ぐっ...な、何を言い出すんじゃ?!」
「知り合いに聞いたもん。。。お店のお姉さんにしつこく何か聞いてたんでしょ!その子に優しくしてもらえばいいじゃない!」
「おお〜そうするわ!向こうの方がず〜っと優しいもんの!」

口をついて出てきてしまった言葉
言ってしまったら更に傷付くのが分かっていたのに

後は何を言ったのかはっきり覚えてない
ただ泣きながら晴一の部屋のキーを
投げ付けるようにして帰って来たのだけは覚えている
そして私の手許に残ったものは
晴一の部屋の鍵のなくなったキーケースと
付き合いだしてから初めてのプレゼントだったリング

あの日から晴一とは連絡を取ってない
このまま私達って終わっちゃうのかな?
後悔で一杯の心を抱えながら
答えの分かっている問いを今夜もくり返す...

「どうして...」

 

...メール...誰からだろ...

「晴一...!」

 

 

to bo continued...

後編の「BECAUSE」へ行く?

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